米国株投資家コタの退屈な毎日

米国の連続増配ディフェンシブ銘柄への配当再投資を軸とした長期投資を行うサラリーマンのブログ

米国が誇る連続増配銘柄とその知られざる価値

米国資本の企業に勤めていると特に感じますが、米国株投資における最も大きな魅力は、その異常とも言える株主還元力にあると言っても過言ではありません。

 

www.usstocks.club

 

しかも、その中でも配当再投資を実践する米国株投資家が重視するのが配当金であり、単に配当金があるというだけでなく、いわゆる連続増配銘柄と呼ばれている、毎年増配する銘柄に注目が集まる傾向にあります。

 

もちろん連続増配してくれるということは、ただ保有しているだけで毎年配当金が増えていくということなので経済的な価値は分かりやすいですが、それを実現すること自体には、果たしてどれほどの難しさや価値があるのでしょうか?

 

そこで今日は、増配を実現する基本的なアプローチの方法をおさらいした上で、改めて長年連続増配することの難しさを再確認すると共に、それを実現する企業の価値について簡単に振り返ってみたいと思います。

 

f:id:kootarochin:20170920193723j:plain

 

増配を実現する主な3つの方法

 

まずは増配の主な仕組みをおさらいしてみましょう。

 

配当性向が一定だと仮定すると、配当金を増やすためにはEPS(発行株式1株当たりの利益)が同じ分だけ増える必要があり、逆にそれさえ実現できれば増配できたも同然だと言えます。

 

つまり、配当金を前年度に対して10%増やしたいのであれば、同じようにEPSも10%増やすことができれば増配できるということです。

 

なお、一般的にEPSを増やす方法は以下にご紹介する3つのうちのいずれか、または併用などやり方は様々ですが、今日は3つのうちそれぞれ1つを採用する場合について考えてみたいと思います。

 

いずれの方法も、配当性向は一定のままEPSと配当金を10%伸ばす前提で、仮の数字を当て込んだ比較表を作成しましたので、合わせてご参考下さい。

 

f:id:kootarochin:20170920200746g:plain

 

  • 売上の増加

 

最もオーソドックス且つ正当な方法ですが、事業を育てることで売り上げの増加を実現し、それに伴い利益が増え、結果としてEPSや配当金が増加するというシナリオです。

 

例えば、上の表①がそれに当たりますが、前年に対してEPSを10%伸ばすために、売上高と利益も同じく10%伸ばすことで実現する形になっています。

 

ただ実際には、連続増配を狙うような成熟企業では、売上を伸ばせるような状況にない場合が多いので、あまり選択肢に入らない方法とも言えましょう。

 

  • コスト削減

 

続いて今度は、成熟市場又は衰退市場でビジネスを展開している企業などが採用される傾向にありますが、EPSは伸ばしたいが売上を伸ばすことが難しい場合に実施される、コストを削減することで利益を増やし、結果としてEPSや配当金が増加するというシナリオです。

 

例えば上の表②がそれに当たりますが、同じくEPSを10%伸ばしていますが、売上高は変わらないため、事業運営コストを2.5%減らすことで実現することができています。

 

こうして改めて見ると分かりますが、EPSを10%伸ばすのにコストは2.5%の削減で済むということから、コスト削減の影響力は非常に大きいので、私の保有中のコカ・コーラ、プロクター&ギャンブル、ゼネラル・ミルズなどもそうですが、各企業で口を揃えてコスト削減を実施しているのも頷けます。

 

  • 自社株買い

 

最後は、これも上記コスト削減同様、売り上げを伸ばしづらい市場でビジネスを展開する企業で見られますが、売上も伸ばせずコストも削減が難しい場合の奥の手、発行株式数を減らすことでEPSを増やし、結果として配当金を増やすシナリオです。

 

改めて上の表③を見てみると、売上高と利益は変わりませんが、その分発行株式数を約10%減らすことでEPSを10%伸ばすことができています。

 

例えば私も保有しているアルトリア・グループやフィリップ・モリスなどのたばこ銘柄が、売上が縮小しているにも関わらずEPSを伸ばすことができているのも、借入金も活用しながら有り余るキャッシュを自社株買いに使っていることが主な理由だと言えます。

 

長く連続増配することの難しさ

 

上記のいずれの方法であったとしても、単に一度だけ増配すれば良いということであれば、それほど難しいことではありませんが、毎年連続して実現しなければならないとなると非常に難しくなります。

 

例えば①の売上高を増やすにしても、ベンチャー企業であれば別ですが、配当金が出せるような成熟した大企業になると、毎年増やし続けるのはかなり難しい課題だと言えます。

 

また、②の事業コスト削減にしても、確かに他の方法に比べればインパクトを出しやすいですが、過去効率化をしたことがない企業であれば別として、それなりに歴史のある企業であれば過去にもコスト削減はある程度し尽している可能性が高く、毎年継続して何%も削減し続けられるものではありません。

 

では、最後の③についてはどうでしょう。自社株買いと言うと簡単なように思いますが、EPSを数%伸ばせるほどの量の自社株を買うには多額のフリーキャッシュが必要であり、余分なキャッシュが常に溜まっている企業はそうあるものでもありません。

 

つまり、連続増配を長年続けるということは片手間で簡単にできることではなく、高度な経営技術を駆使し、全社規模で取り組まなければ実現できないことだと言えましょう。

 

米国を代表する連続増配銘柄

 

アメリカには実際に長年連続増配を続けるモンスター企業が多数存在します。
 
中には様々な金融危機を乗り越え半世紀以上増配を続けている銘柄もあるなど、そのレベルは伝説の域に達していると言えましょう。
 
そしてそのような銘柄には敬意を評し、50年以上連続増配している銘柄を「配当王」、25年以上連続増配している銘柄を「配当貴族」という名前が付けられています。
 
それでは参考までに、配当王や配当貴族を含む上位50銘柄のランキングと連続増配年数を米国会社四季報(2017春夏号)から抜粋してご紹介しますのでご参考下さい。
 
※私が保有している銘柄を赤文字で表記
 
  1. ドーバー 61
  2. プロクター&ギャンブル 60
  3. パーカー・ハニフィン 60
  4. エマソン・エレクトリック 60
  5. ジェニュイン・パーツ 60
  6. スリーエム 59
  7. シンシナティ・ファイナンシャル 56
  8. ロウズ・カンパニーズ 55
  9. コカ・コーラ 54
  10. コルゲート・パルモリーブ 54
  11. ジョンソン&ジョンソン 54
  12. ホーメル・フーズ 50
  13. スタンレーB&デッカー 49
  14. ターゲット 49
  15. アルトリア・グループ 47
  16. レゲット&プラット 45
  17. PPGインダストリーズ 45
  18. イリノイ・ツール・ワークス 45
  19. W.W.グレンジャー 45
  20. ベクトン・ディッキンソン 44
  21. ヘルマリック&ペイン 44
  22. S&Pグローバル 44
  23. VF 44
  24. ペプシコ 44
  25. キンバリークラーク 44
  26. ウォルマート・ストアーズ 44
  27. ニューコア 43
  28. コンソリデーテッド・エジソン 43
  29. オートマチック・データ 42
  30. ウォルグリーン・ブーツ 41
  31. マクドナルド 41
  32. シスコ 40
  33. ペンテア 40
  34. メドトロニック 39
  35. クロロックス 39
  36. バルスパー 38
  37. シャーウィン・ウィリアムズ 38
  38. フランクリン・リソーシズ 35
  39. エアー・プロダクツ 34
  40. ビーマス・カンパニー 34
  41. アフラック 34
  42. チャブ 34
  43. エクソン・モービル 34
  44. ブラウンフォーマン 33
  45. シンタス 33
  46. AT&T 33
  47. マコーミック 31
  48. Tロウ・プライス・グループ 30
  49. シェブロン 29
  50. ローパー・テクノロジーズ 24

 

企業価値とも言える高度な経営ノウハウ

 

私自身、上記のランキングに入っている米国株を中心に投資していますが、単に配当が増えるという表面的な理由ではなく、そこに企業価値を見出したからこその結論だと言えます。

 

www.usstocks.club

 

上記の通り、数年レベルではなく数十年単位で増配するということは、非常に難しいことであるが故に高度な経営ノウハウが存在するはずであり、しかもそれが何代にも亘り脈々とCEOをはじめとして企業内で引き継がれているからこそ実現できているはずです。

 

長期で投資する対象を選ぶ上で一番重要なのは勿論事業内容だと考えますが、連続増配を生む高度な経営ノウハウ、さらにはそれを重要視するカルチャーに関しても、株主にとってはそれと同じかそれ以上に重要な価値だと言えるのではないでしょうか?

 

目新しい流行りのグロース銘柄にしか投資していない方は、改めてこの機会に米国の連続増配銘柄の価値を再確認いただき、ポートフォリオに迎え入れてみてはいかがでしょうか?

 

www.usstocks.club