米国株投資家コタの退屈な毎日

アメリカの連続増配ディフェンシブ株への配当再投資を軸とした長期投資を行うサラリーマンのブログ

アルトリア・グループの強さの秘訣!参入障壁と米国市場のポテンシャル

シーゲル流の米国株投資家の誰もが投資していると言っても過言ではない超絶人気米国株銘柄、アルトリア・グループとフィリップ・モリスに関する話題です。

 

アルトリア・グループとフィリップ・モリスは元は一つの企業でしたが、2008年に分社化し、アルトリア・グループが米国、そしてフィリップ・モリスがその他の地域という形で営業地域を分ける形で現在に至っています。

 

いずれもマルボロという同じたばこブランドを販売しており、潤沢なフリーキャッシュや積極的な株主還元で世界の投資家に人気の銘柄だと言えますが、一方で実際どちらの銘柄がより投資価値が高いのか迷われた経験がある方もいるのではないでしょうか?

 

私自身は、先日FDAのリリースにより株価が大きく下がったタイミングで、フィリップ・モリスを売却してアルトリア・グループに絞り込みましたが、単に株価が下がったからだけでなく、私なりに考えた結果アルトリア・グループの方により魅力を感じたからに他なりません。

 

www.usstocks.club

 

そこで今日は私が魅力として感じた、営業エリアの違いから生み出されるフィリップ・モリスにはないアルトリア・グループならではの強みについて、一部弱みも交えながらご紹介してみたいと思います。

 

アルトリア・グループに対するホームならではの高いロイヤリティ

 

アルトリア・グループもフィリップ・モリスも共にマルボロが主力ブランドであり、世界で最も売れているたばこブランドとしても有名ですが、そもそもマルボロの発祥の地はアメリカであり、100年以上も前から販売されている老舗ブランドでもあります。

 

したがって、他の国や商材でも基本的に同じですが、やはりマルボロをはじめとしたたばこにおいても、ホームグラウンドの米国内におけるブランドロイヤリティは、他の国におけるそれと比べても圧倒的な強さを誇ります。

 

f:id:kootarochin:20171010210302g:plain

※アルトリア・グループウェブサイトより 

 

上記マルボロの米国内シェアの推移を見れば明らかですが、これまで継続してシェアを伸ばし続けてきており、現在に至っては44%と、キャメルやニューポートなどの他の米国メジャーブランドをも圧倒している状況です。

 

また、米国内でマルボロに次ぐシェアの上記ブランド群を販売するレイノルズ・アメリカンがイギリス資本のブリティッシュ・アメリカン・タバコに買収されたことで、米国内のマルボロの寡占がより一層進む可能性も考えられます。

 

つまり、アウェイの米国外でビジネスを展開するフィリップ・モリスに比べ、アルトリア・グループの方が、同じマルボロというブランドを販売していく上でも、より優位にビジネスを進められるだけでなく、より長く安定した利益を稼ぎ続けられる可能性が高いと言えましょう。

 

訴訟大国ならではの高い参入障壁

 

そもそも2008年にアルトリア・グループがフィリップ・モリスをスピンオフしたのも、米国の訴訟リスクを切り離すことが目的でしたが、ご存知の通りとにかく米国は訴訟大国です。

 

特にたばこに関しては過去様々な訴訟で苦しめられており、記憶に新しいところでは、2014年にRJレイノルズ・タバコが米フロリダ州の陪審団から懲罰的賠償として約236億ドル(約2兆3900億円)の支払いを命じられる評決を言い渡されたことが話題になりました。

 

肺がんで死亡した男性の配偶者が、ニコチンのリスクに関する情報提供を怠ったという理由から損害賠償を提訴したというものです。ちなみに、死亡した男性は13歳頃から毎日1箱以上のタバコを吸っていたとのことです。

 

我々日本人からすると首をかしげてしまうような案件ですが、これに限らずアメリカではとにかく訴訟が多く、アルトリア・グループも今後またこういった訴訟に巻き込まれる可能性があるため、そのリスクから敬遠する投資家も多いのではないでしょうか?

 

しかし見方を変えれば、それは強みにもつながります。

 

米国が訴訟大国であり、たばこという特に健康を害する可能性の高い商材が訴訟を呼びやすいということは、深く考えなくても誰もが分かる事実でもあるため、逆に競合他社がビジネスを展開しづらく参入障壁が上がり、前述の通り既に確立されたアルトリア・グループの強固な牙城がより一層崩されづらいということです。

 

例を挙げるならば、2015年にJTが米国のたばこブランドのナチュラル・アメリカン・スピリットの米国外事業を買収しましたが、このブランドの販売エリアの主体でもある米国を買収対象から外したのも、訴訟リスクを恐れたからに他なりません。

 

要するに、株式投資では頻繁に言われるのと同じで、上記についても訴訟リスクと参入障壁の高さが生み出すリターンは表裏一体の関係にあり、どちらを選択するかという問題だと言えます。

 

リスクを負うに値する米国という市場のポテンシャル

 

米国は世界第3位の人口規模を誇っており、トランプが問題を起こさなければという条件付きですが、今後も当分の間は安定的に増加を見込むことができるため、市場としての魅力も高いと言えます。  

 

f:id:kootarochin:20171011213651g:plain

※アメリカ合衆国の年齢階層別人口数推定(万人) World Population Prospects, the 2017 Revisionより

 

人口の規模だけで言えば、中国やインドなどの方が圧倒的に多いですが、ことたばこビジネスという意味では、実際は中国もインドも国内ブランドが圧倒的なシェアを占めている状態で外資が思うように切り込めない状況でもあるため、実質的にはアメリカが世界最大のたばこ市場だと言っても過言ではありません。

 

一部たばこ以外のビジネスを保有していますが、アルトリア・グループとフィリップ・モリスの売上規模を比較してみれば、米国市場単体の規模やポテンシャルを伺い知ることができるはずです。

 

まとめ

 

以上、一部弱みも織り交ぜながらフィリップ・モリスとの比較における、米国を主戦場とするアルトリア・グループならではの強みを書き連ねてみましたがいかがでしたか?

 

フィリップ・モリスも投資価値の高い銘柄ではありますが、米国市場でビジネスを展開するメリットを踏まえた場合、アルトリア・グループの方がより長期的に高いリターンを実現する可能性が高いと思えたため、フィリップ・モリスを売却しアルトリア・グループに絞り込むことにしました。

 

元々は一つの会社であることを理由に両方に投資するというのもそれは一つの選択肢ではありますが、一歩間違えるとポートフォリオがたばこ銘柄だらけになってしまいます。

 

銘柄や業種など様々な観点での分散を考えた場合には、ポートフォリオに組み込むことができるたばこ銘柄の比率は限られているかと思いますので、是非この機会に改めて検討されてみてはいかがでしょうか?