人気セクターETFのVDCやVHTより各上位10銘柄均等投資をおすすめする理由

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代表的な人気セクターETF以上の高パフォーマンスを実現する投資対象に関する話題です。人気のセクターETFとは、シーゲル派の投資家を中心として人気の高い、バンガード社のVDC(生活必需品セクター)とVHT(ヘルスケアセクター)の2本です。

 

ジェレミー・シーゲル氏が著書「株式投資の未来」の中でも紹介されている通り、ヘルスケアセクターや生活必需品セクターはセクター中トップレベルのパフォーマンスを残してきています。参考までにシーゲル氏が紹介した1957年から2003年までのセクター別のリターン実績をご紹介すると以下の通りです


1位 ヘルスケア 14.19%
2位 生活必需品 13.36%
3位 情報技術 11.39%
4位 エネルギー 11.32%
5位 一般消費財 11.09%
6位 金融 10.58%
7位 資本財 10.22%
8位 電気通信 9.63%
9位 公益事業 9.52%
10位 素材 8.18%
※「株式投資の未来」より抜粋 

 

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しかしながら、以前より個人的にセクターETFについて感じている疑問があります。それは、仮にトップレベルのパフォーマンスを誇るセクターETFであったとしても、構成上位10銘柄のみに投資した方が、雑味がなくなることで実は高いパフォーマンスが期待できるのではないかというものです。

 

確かに、これらのETFは分散投資を通じてリスクを抑えた上で高いパフォーマンスをもたらしてくれるものの、いずれのETFも上位10銘柄の大型株が半分程度もしくはそれ以上を占めていることから、パフォーマンスの大部分は上位銘柄のパフォーマンスに大きく左右されます。

 

また、下位に位置する中小型銘柄は比較的資本力や業績面でも不安定な状況にあることが多く、結果としてこれらの銘柄群が業績悪化や倒産などによりパフォーマンスの足を引っ張る可能性が高いため、それらの銘柄に資金を割り当てる分リターンが下がる可能性が高いとも考えられるからです。

 

そこで今日は、VDCとVHTそれぞれについて、オリジナルETFと上位10銘柄に均等投資した場合のパフォーマンス比較を行った結果についてご紹介してみようと思います。私と同じような疑問を抱いていた方や、シーゲル派の投資家の方は是非ご参考ください。

 

VDCと上位10銘柄均等投資とのパフォーマンス比較

 

まずはシーゲル派に人気の高い、生活必需品セクターETFのVDCについて調べてみます。今回はVDCが設定された2004年から直近までの約14年間のパフォーマンスの比較です。14年間と言うと株式投資の世界では長いようで短いと言えるものの、今回はVDCとの比較でもあるため一旦この期間において結論を出してみることにします。

 

予め1点補足すると、フィリップ・モリス(PM)はアルトリア・グループ(MO)からスピンオフされた2008年以降のみのデータとなり比較がしづらいため、今回は暫定的にフィリップ・モリスを外し、アルトリア・グループのシェアを20%に増やしてシミュレートすることにしました。

 

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※portfoliovisualizer.comにて作成

 

ご覧いただくとお分かりの通り、つべこべ言う必要もなく上位10銘柄への均等投資ポートフォリオが圧勝する結果となりました。リーマンショック時こそ目立った差は出ていないものの、時間が経つに連れて次第にその差が広がって来ています。正直なところ、勝敗はある程度予想できていたものの、ここまでの差があるとは思いませんでした。

 

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※portfoliovisualizer.comのデータを抜粋引用

 

さらに、それぞれのポートフォリオについて各指標をもう少し詳しく確認してみると、上位10銘柄均等ポートフォリオは、リターンだけでなく、最大ドローダウンレシオ、シャープレシオなども優秀で、単にリターンが高いだけでなくリスク当たりのリターン効率も高いということが分かります。文句なくの圧勝だと言えましょう。

 

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VHTと上位10銘柄均等投資とのパフォーマンス比較

 

続いて、こちらもシーゲル派御用達のヘルスケアセクターETFのVHTについても同様に調べてみましょう。VDC同様、VHTが設定された2004年から直近までの約14年間のパフォーマンスを比較します。本比較にあたっても1点補足すべき点があります。それはアッヴィ(ABBV)に関するものです。

 

ご存知の通り、アッヴィは2013年にアボット・ラボラトリーズ(ABT)からスピンオフされて誕生した関係上データが不足しているため、フィリップ・モリス同様今回はアッヴィを外し、アボット・ラボラトリーズのシェアを20%に増やしてシミュレートしています。

 

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※portfoliovisualizer.comにて作成

 

結論から言うと、VHTに比べて上位10銘柄への均等投資ポートフォリオの方が勝る結果となりました。すべてを確認してはいないものの、VDCに続きVHTでも同じ結果になったということは、時価総額上位10社への均等投資法は意外に有効な手法なのかもしれません。

 

また、あくまでも直近14年間における傾向ではあるものの、時間をかけて着実にリターンの差が広がる傾向はVHTにも現れており、あながち一時的な現象とも思えないだけでなく、仮にこの傾向が今後も進むと仮定すれば、長期的には非常に大きな差となる可能性が高いため、継続的に注目して行く必要がありそうです。

 

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※portfoliovisualizer.comのデータを抜粋引用

 

その他の各指標を確認してみましょう。こちらもVDC同様、上位10銘柄均等ポートフォリオはリターンだけでなく、いずれの指標においてもVHTを凌駕しており、比較の上では文句のつけようがない優秀な成績だということが分かります。果たしてVHTに投資する意味はどこにあるのでしょうか? 

 

最後に

 

以上、VDCとVHTについて、上位10銘柄均等ポートフォリオとオリジナルとのパフォーマンス比較を行いました。結果について多かれ少なかれ意外に感じた方も多いのではないかと思いますが、私にとっても、想定内でも想定外でもある結果だったと言えます。

 

あくまでも直近14年間の結果ではあるものの、リターン観点でもリスク観点でも、さらにはリスク当たりのリターンにおいても、ETFへ投資するよりも上位10銘柄への均等投資の方が勝っており、リバランスや管理の手間やコストまでは厳密には考慮できていないものの、より良い投資法だと言えるのではないでしょうか?

 

また、理由は定かではないものの、先に触れた通り、両者のパフォーマンスの差は共に時間を経る毎に広がる傾向にあるため、とりわけ私のような数十年に亘って保有し続けることを前提としている超長期投資家の方にとっては、短期的なリターン以上に注目すべきポイントとも言えましょう。

 

冒頭でも触れた通り、VDCやVHTはS&P500指数と比べても高いパフォーマンスを残してきた優秀な投資対象であることに違いはないものの、より安全且つ高いリターンを望む投資家にとっては、魅力的且つ興味深い投資法だと言えるのではないでしょうか?

 

VDCやVHTも素晴らしい投資対象であり、十分高いパフォーマンスを実現できる可能性は高いものの、少しでも興味を持たれた方は、参考までに本投資法についてこの機会に検討されてみることを是非ともおすすめします。